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 ドキュメンタリー 中毒 依存症

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伝えたい度
★★★☆☆
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更新日時:
2010年10月09日(土)
作成日時:
2010年10月02日(土)

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本書中に登場するあるネトゲ廃人の

「ネットで知り合った人のほうが、手軽というか、気軽というのか。
インスタントな感じがあって、そこで何かあっても、パっと縁を切り
やすいし別れやすい。」(ネトゲ廃人 P74より引用)

という言葉が印象的だった。

ネトゲとは、ネットゲーム、オンラインゲームのこと。

狂ったようにネトゲに興じることが悪いという訳でも、
良いという訳でも無く、ネトゲ廃人のありのままの実態を
描写した良質なドキュメンタリー。

ではあるけれど、ドキュメンタリーに登場するネトゲ廃人たちが
総じて「ネトゲいくない」って言っているので、読んだ印象として
受け取るものは、ネトゲは良くないよねっていう何かだと思う。

良質なドキュメンタリーと言いつつも、
ネトゲとかやったことなくて、ネトゲ廃人って何?っていう
人にはもしかしたら全然届かないかも知れないと思う。

なぜなら、実際にネトゲ廃人をやったことの無い人にとっては
「そんな馬鹿なw」っていうエピソードばかりだから。

けれど、ネトゲ廃人をやったことのある人にとっては、
とてもリアリティがあって、深く届くんじゃないかと思う。

そう思うのはやっぱり、自分もネトゲ廃人をやったことがるから。

本書の主旨は「ネトゲ廃人とは何か?」ということなのだけど、
そんな理由で、ネトゲ廃人とは何か?を知りたい人よりも、
ネトゲ廃人をやったことがある、もしくは今まさにネトゲ廃人を
やっている、という人にこそお勧めしたい一冊。

きっと心の中の何かに歯止めをかけてくれると思う。

ここから先は本書の内容じゃなくて、個人的な気持ち。

本書中では何度か、「ネトゲは悪か?」みたいな話が
出てくるけれど、個人的にはネトゲは悪だと思ってる。
(本書は特にどちらというスタンスでもない。)

理由は、自分なりの結論としては、
とにもかくにもリアルじゃないから。

バーチャルよりリアルの方がいいに決まってるだろ!
っていうことじゃなくて、ネトゲのデメリットがあまりにも
大きすぎるのと、そのデメリットがもしリアルだったらそんなに
問題にならないと思うことがほとんどだから。

リアルの経験はどんな経験をしてもリアルの経験値になるけど、
ネトゲの経験は沢山の経験をしてもネトゲの経験値にしかならない
場合が多いっていうのが全てのデメリットの根源なんじゃないかと。

例えば
「大切な青春の時間をネトゲばかりして過ごしてしまった」
「大切な青春の時間をサッカーばかりして過ごしてしまった」

ネトゲは、そのネトゲがなくなってしまったらそれで終わりだけど、
サッカーだったらサッカー自体が無くなることはないし、
もしかしたらプロになれるかも知れない。

そういうこと。

何らかのドラえもん的な力でネトゲの中に住むことが出来れば、
きっとネトゲ廃人って別に何にも問題じゃないんだと思う。

ネトゲの中に住めれば、ネトゲの世界で経験を積めば積むほど、
それはきっと将来のネトゲの中の生活で何かの役に立って、
生活の糧になり得るかも知れない。

けれどネトゲの中には住めないからそうじゃない。

だから、ネトゲ廃人でありながらも、それをリアルの生活の糧として
生活出来ている人は、別にネトゲ廃人でも全然問題ないよねって思う。

えーでもそれって、アニメのDVD見まくったり、
オフラインの普通のゲームやりまくったりするのと同じじゃないの?
ネトゲだけ悪とか言うのおかしいんじゃないの?

っていうのは費やされるであろう時間が比べものにならないから
そんなのいくらやったって問題無いと思う、健全な娯楽。

だから、際限の無いプレイ時間を要求しないネトゲも悪ではないと思う。

アニメのDVDやオフラインのゲームはいつか終わるけど
ネトゲは運営会社が倒産でもしない限り永遠に終わらないから。

それと、冒頭で、

「ネットで知り合った人のほうが、手軽というか、気軽というのか。
インスタントな感じがあって、そこで何かあっても、パっと縁を切り
やすいし別れやすい。」(ネトゲ廃人 P74より引用)

という言葉が印象的だった、と書いたけど、

ネトゲに限らずインターネットってこんな感じのスタンスで
使っている人が多い気がしていて(もちろんそうじゃない人も
沢山いるのは知っているけれど)、

それが良いとか悪いとかいうことじゃないんだけど、

そういうスタンスで使っている人の心境としては、
そういうスタンスでありながらも、どこかで人と繋がっていたい
っていう気持ちがあるから、そういう風に思うんだと思う、

のだけれど、

そこにもの凄いアンビバレンスがあって、
人と繋がっていたいにも関わらず、パっと縁を切りやすいし別れやすい、
っていうのはなかなか成り立たなくて、

もしお互いがそういうスタンスだとしたら、
繋がっていると思えたとしても、それは刹那的な何かな可能性が高いし、
自分は繋がっていると思っていても、パっと縁を切られてしまうこと
だってある訳で、

故に得られるはずのないものが得られるような気がして
どんどんドツボに嵌ってしまう人も多いんだろうなあ、

と、思って、
冒頭で触れた言葉が、ネトゲ廃人を象徴しているように思えて
それが凄く印象的だった。

これももしリアルだったらって考えると、
リアルってそんなにお手軽に人と付き合うことって出来ないから、
人と付き合うことが出来たら、その時はきっと得たいと思ったものは
ちゃんと得られているはずなんだと、思うし、

そもそもネトゲやインターネットであっても、
お手軽に人付き合いを考えること自体が間違いなんだと思う。

相手に凄く失礼だし、なによりその無礼は全て自分に跳ね返ってくる。

と思うのもやっぱり体験談乙、ということで。

そんで、自分なりのもう一つの結論。

ネトゲやインターネットよりも、
リアルの人生が一番楽しい!!